Yuuki Mochizuki's review
■『泣かないで、パーティーはこれから』(唯川 恵 著)
彼氏にふられ、そして、自分が夢中になって働く外資系の会社をクビになり、、、彼女にとっては人生最大の奈落の底。
再び就職活動を始めるものの、30歳近いこともあり、自分の希望の職種につけない。そんな中、ある小規模の繊維工場の会社社長に出会う。社長といっても、地味で、従業員も少なく、こじんまり経営している会社社長だ。一時的に事務員を頼まれ、そこにやりがい・居場所を見つける一方、やはり外資の会社に勤めたい。
そんな迷いから、彼女が選んだ道とは!?自分自身が切り開く道と重ね合わせて考えてみると面白い。
■『坊ちゃん』(夏目漱石 著)
「親譲りの無鉄砲で子供のときから損ばかりしている…」が冒頭であることは有名だろう.
少々乱暴なところもあるだろうが、まっすぐで純真な東京育ちの「ぼっちゃん」が四国の中学校の教師として赴任する.世間知らずな「ぼっちゃん」が少し曲がった世の中を見ておおいに憤慨!まっすぐな自分を信じて、曲がった世間に対して立ち向かってゆく、そんな騒動と純粋さ、それに関わる人々が生き生きと描かれている.
ワタクシはこの主人公にあこがれている….勇気をもらう一冊、もう8回くらい読んだ。
■『熱球』(重松清 著)
舞台は甲子園予選。
弱小チームが何と大舞台予選決勝戦へ!
しかし、事態は一転。決勝前夜、ある事件をきっかけに出場辞退に追い込まれた野球部。
20年後、当時のエースが帰郷。
そこで過去の悲劇と向き合った。
白球を追い、泥まみれになりながら野球をやっていたときの過去、そして今の自分。
過去の自分をかみ締め、再び人生のマウンドに立てるか。大人の再挑戦を描く一冊。
主人公はちょっと昔のワタクシそのものである。
■『ららのいた夏』(重松清 著)
プロ野球選手を目指す高校球児・純也と、走ることが純粋に好きでいつも笑って走っている高校生・ららの物語。
高校生の若い透明な気持ちをそのまま書き綴られている。ららのように、純粋な、素直な気持ちでこれからも走っていきたい、と感じる一冊。何度でも読みたい。
■『通天閣』 (西加奈子 著)
通天閣というタイトルに衝動買いしてしまった本。
主人公2人の目線から書かれている点が珍しい。
そんな2人は通天閣付近に住む社会の底辺を生きるおじさんと若い女性。
そんな生活のなか、人生に希望すら失いかけるが、さまざまな出来事に巻き込まれていくうちに、生きる上で最も必要なことは何かが実感される。
現代の生活で見失いがちな、ほのかな愛情を取り戻す、そんな大阪人。
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